創業者の強力な支え!日本政策金融公庫からの資金調達について

自ら事業を立ち上げるのには、不安がつきまとうものです。特に、創業直後は資金調達や事業を軌道に乗せるまでにさまざまな困難やトラブルがつきまといます。創業直後は信用力が不安視されるため、資金調達について心配を抱えている経営者もいるのではないでしょうか。そうした人が利用しやすい資金調達方法として、日本政策金融公庫の利用が挙げられます。なぜ利用しやすいのか、利用するならどういったことに注意すればいいのかなど、日本政策金融公庫の融資について確認していきましょう。

日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫とは、日本政府が100%出資している政策金融機関です。政府出資なので、国の政策を踏まえて民間の金融機関の補完を行う金融機関になります。「国の政策に基づき、新たな事業の創出、事業の再生、海外展開及び農林水産業の新たな展開への支援など、政策金融に求められる各層の各種ニーズに適切に対応し、もって日本経済の成長・発展に貢献する。」という経営方針の通り、新規事業や事業再生、海外進出を考える企業に対する融資業務も担う金融機関です。(※1)

日本政策金融公庫を利用するメリット・デメリットとは?

日本政策金融公庫の融資を利用して資金調達を行うメリットとしては、4点挙げられます。

日本政策金融公庫を利用する4つのメリット

1つ目は、金利が低いことです。新創業融資制度の利用をした場合、平成30年2月9日の基準金利は2.26%~2.85%になります。もし銀行で同じ融資を受けようとすると、金利は10%を越えることが多いです。したがって、創業直後で低金利の融資を受けるには適しています。創業直後ではなく、事業拡大や海外進出のための資金調達だとしても金利は低いため、多くの経営者にとって利用しやすいでしょう。

2つ目は、民間の銀行に比べて審査に通りやすいことです。創業直後の場合、信用力に欠けることが多いため銀行の融資は受けにくくなります。ですが、日本政策金融公庫の場合、基本理念に「民間金融機関の補完」と謳っているように、銀行の融資が難しいような小規模事業主に対する融資がなされやすい傾向です。創業直後で資金調達に不安を抱える経営者にとって適しているといえるでしょう。

3つ目として、融資を受けるだけでなく、専属の税理士や中小企業診断士から経営アドバイスを受けられる点です。いかに事前準備をしていたとしても、創業直後になって分からない点や確認を要する点は色々と出てくるのではないでしょうか。そうした時、専門家に相談しやすい環境は心強いといえるでしょう。

最後4つ目のメリットは、他の金融機関から融資が受けやすくなります。民間の金融機関は融資を受けた実績があると、それ以後の審査が通りやすくなるのです。創業直後の融資は断られたとしても、日本政策金融公庫の融資を受けたという実績を持った後では結果が変わる可能性があります。したがって、最初は日本政策金融公庫の融資によって資金調達をするといいでしょう。

日本政策金融公庫を利用する2つのデメリット

一方、デメリットには2つあります。1つ目は、審査に時間がかかるという点です。銀行などは審査に1週間程度の時間を要します。ですが、日本政策金融公庫の場合、審査に3週間から1カ月かかることが多いです。これは日本政策金融公庫が融資専門であり、政府系の金融機関だからだといえます。

2点目としては、保証人が必要になる場合が多いことです。銀行などの場合は定期預金の○倍までは保証人不要とされることがあるのに対し、日本政策金融公庫の場合は預金制度がないため保証人が必要になってきます。新創業融資制度など一部の融資は別ですが、多くの場合は融資に保証人を要するため、保証人を探すのに苦労する可能性があることは留意しておきましょう。(※2)(※3)

政策金融公庫申込の流れはどうなっている?

日本政策金融公庫の融資を利用する場合、まず、融資の申し込み手続き前に電話や窓口で相談が可能です。その際、事業計画書を持参するとより具体的な相談に乗ってもらうことができます。そして、申込手続の際には書類一式の提出が必要です。その提出は窓口に直接提出、あるいは郵送のいずれもできます。

書類は後日用意するが申込手続きだけしておきたいという場合は、ネット上から申込手続きをすることも可能です。その後、日本政策金融公庫の担当との面談に移り、事業計画や資産、負債に関する確認、店舗や工場がある場合にはその確認も受けた上で融資の判断が進められます。審査を経て融資決定した後、必要書類が日本政策金融公庫から送られてくるので、その書類を整えたら契約成立です。その後は返済計画に沿って返済していきます。返済は原則として月賦払いであり、方法としては元金均等返済、元利均等返済、ステップ(段階)返済などがあります。(※4)

政策金融公庫で融資を受けるためにどういった項目が審査されるのか?

日本政策金融公庫の審査が銀行より通りやすいとはいっても、きちんと審査条件をクリアしなければ融資は実行されません。審査項目が公開されているわけではないのですが、概ね以下の4点がチェックされます。

1つ目は、自己資金の額です。融資を受けるにあたり、どれだけ自己資金の用意があるのかはチェックされます。この時自己資金ゼロで全額融資で事業を立ち上げたいと言ったならば、担当者は創業者の本気度を疑うことでしょう。どんな金融機関であっても返済可能性が低いと見なされれば融資は実行しません。したがって、自己資金がどれだけ用意されていて、それに対してどれだけの融資を受けたいのかというのは重要なチェックポイントになります。目安としては事業資金の半分程度用意があれば融資は通りやすいといわれています。ただし、自己資金だけで融資の判断がされるわけではないので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。

2つ目は、事業計画書の内容です。融資を申し込む際、日本政策金融公庫に提出する事業計画書にさまざまな記載をすることになります。その際にきちんと伝えるべきは「事業によってきちんと継続的に収益を上げ、返済を滞りなく進められる」ことです。将来のことなので確実にできるとはいえないでしょう。ただ、収益を上げる計画が立てられていることをきちんと担当者に伝えなければ融資を受けるのは難しくなります。事業計画書に思いの丈や収益ポイントなどをきちんと記載し、担当者に伝える努力が必要でしょう。

3つ目は、事業主の能力や人柄、経歴です。日本政策金融公庫の融資を受ける場合、面談が必須になります。これは事業主と面談することを日本政策金融公庫が重視していることの表れといえるでしょう。この面談において、事業主がチェックされます。具体的には、まず「事業主が事業計画を遂行するにあたって完遂できるような能力や経歴を有しているか」という点です。いくら事業計画が立派なものでも、絵空事ではビジネスは立ち行かなくなります。トップに立つ事業者がその計画を完遂できそうかは融資する側として重要なポイントなのでチェックが入るのです。そして、事業主の誠実さも確認されます。事業計画をきちんと守ることはもちろん、融資した後の返済でトラブルになってしまうことは避けたい事態です。そのため、事業計画の推進と返済計画を誠実に進めてくれそうな人物かも確認されます。

4つ目は、担保や保証人の有無です。いずれも用意できていれば融資が実行されやすくなります。もし担保や保証人が用意できなくても、申し込める融資制度を選択できる場合があります。したがって、そうした制度が利用できないかを担当者に確認することで4つ目の問題は回避できるでしょう。(※5)

融資を申し込むために必要な書類とは?

日本政策金融公庫の融資を申し込む際の必要書類は、個人事業主や中小企業の融資申し込み時の状況によって変わります。個人事業主の場合には最近2期分の申告決算書が必要です。中小企業のうち創業後時間が経っている場合には会社案内、製品カタログなどの参考資料が必要になります。

他には、法人の登記事項証明書や最新3期分の決算書・税務申告書に納税証明書、そして決算から時間が経っている場合には最近の試算表も必要です。また、設備投資目的の場合には見積書を用意しましょう。もし担保があれば登記事項証明書など担保の内容がわかる資料も提出します。これから創業するという人の場合には、創業計画書が必要です。

法人を新しく設立する場合には履歴事項全部証明書または登記簿謄本も用意しましょう。融資の目的が設備資金の場合にはその見積書が必要です。担保を用意したという場合、不動産の登記簿謄本か登記事項証明書も必要になってきます。融資申込みに要する必要書類は種類が多いため、手続きの際には担当者に都度確認しながら準備を進めるといいでしょう。また、書類の用意に時間を要する場合には、先にインターネット上で申し込み手続きを済ませ、書類は準備できたら後送するようにするとスムーズです。(※6)

融資を受けるためにかかるコストは?

基本的に、融資実行にあたって追加で支払いを要するものはありません。ですが、必要書類を準備するために必要なお金はコストと考えておきましょう。例えば、納税証明書や登記事項証明書などは役所で発行されますが、それらの発行手数料は必要になります。その他、融資が実行されることになった場合には振込にて融資がされますので、その時にも手数料が必要です。送金手数料は税込216円と決して大きい金額ではないものの、融資を受ける際にかかるコストとして押さえておきましょう。(※7)

融資を受けるためにこんなところに注意しましょう!

日本政策金融公庫の融資を受けるにあたり注意すべき点として、まず、融資を受けるための条件を満たしているかどうかを確認することから始めましょう。せっかく融資を利用したくても、そもそも対象外であれば準備にあてた時間や費用が無駄になってしまいます。また、融資の使用用途も明確に定められているため、違った用途に資金を流用することはできません。もししてしまった場合には融資の償還を求められます。そして、融資の際にチェックされる項目である自己資金を審査のためだけによそから借り入れる、いわゆる「見せ金」で自己資金を用意することもやめましょう。

日本政策金融公庫は自己資金がどういったところから用意されたものかを取引履歴などで確認するため、一時的に借り入れた金額であるかどうかはすぐに分かるからです。それが発覚してしまうとブラックリスト入りしてしまい、今後も融資を受けることができなくなってしまいます。また、必要書類が多いので、人によっては少し手を抜いてしまうことがあるようです。ですが、書類に空欄などの不備があると手続きが滞る可能性がある上に、担当者に適当な人だという印象を与えかねません。

担当者の心象を悪くすることは融資を受ける上で不利に働いてしまいます。多少手間であっても、誠実さをアピールすると思ってきちんと必要書類は仕上げましょう。この点は事業計画書についても同様です。記入例に沿って必要事項だけを書くよりは、熱意が伝わるようにきちんと書類を埋めるようにしましょう。求められた事業計画書だけではなく、きちんと補足資料も添付して事業に対する熱意や計画性が担当者に伝わるように努力することも重要になります。

そして、過去に税金の滞納履歴があるかどうかも確認が必要です。もし滞納歴がある場合、きちんと税金を納めてから融資を申し込むようにしましょう。さらに、以前何らかの事情で日本政策金融公庫からの融資を断られている場合、断られてから時間を置かずに再挑戦することは避けたほうが無難です。日本政策金融公庫の融資は一度断られると再度申し込むまで半年間は空けないと審査に通りづらいといわれています。面談においても、注意を要するポイントを押さえておきましょう。

まず、ビジネスの場である以上ラフな格好は避けます。面談担当も人ですので、第一印象で悪印象を与えてしまうと挽回が難しいでしょう。せっかく書類などの準備もきちんと進めたのに身だしなみで融資を断られてしまっては目も当てられません。フォーマルな格好で面談に臨みましょう。また、面談は質問されるだけではありません。事業計画に関して助言を受ける場合があります。そうした助言を受けた際に感情的に反論してしまうのは悪印象を与えてしまいますのでやめましょう。

せっかく助言してくれたならば、回答としては「検討します」や「同じように考えていました」くらいにとどめると無難です。事業計画書に対する理解が不十分であるまま面談に臨むのはやめましょう。面談担当は数多くの面談を経験しているプロです。そのプロに対して付け焼き刃の知識や適当な回答をしてしまうと理解不足が見抜かれます。

もし面談担当からの質問に対する回答で自信がないものがあれば、きちんと確認してから対応してください。最後に、希望融資額の根拠はきちんと言えるようにしておきましょう。融資を受けるということは事業計画上必要があってのことが求められます。そうした計画なしに資金を借りようとすることは、事業について無計画であることを公表しているようなものです。いくらまでなら融資を受けられるのかは気になるところかもしれません。ですが、面談の際にはきちんと必要な金額を根拠とともに伝えるようにしましょう。(※8)

初めての融資にも、事業拡大のための融資にも使いやすい!

日本政策金融公庫の融資は金利の低さに強みがあります。また、金利が低いにもかかわらず民間の金融機関よりも審査が通りやすいため、資金調達を考える多くの事業主にとって利用しやすいでしょう。新規開業の場合、民間の金融機関で融資を受けるのは難しいことがほとんどですが、日本政策金融公庫の場合は無担保、保証人なしで融資を受けることが可能です。事業拡大期であっても、海外進出や雇用拡大といった目的があれば金利が優遇されます。したがって、事業主として企業がどういったフェーズにあっても、資金調達を考える上で日本政策金融公庫の融資を検討してみてはいかがでしょうか。

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