創業したばかりでも利用しやすい!保証付融資とはどんなもの?

会社経営をするには資金繰りが重要です。資金繰りがうまくいかなければ事業拡大ができないだけでなく、会社を畳まなければならなくなるかもしれません。そのため、事業資金の融資を求める経営者は多いのではないでしょうか。問題なく融資が受けられればいいのですが、場合によっては融資の条件として信用保証協会の保証をつけることが求められる場合があります。それはなぜでしょうか。ここでは、保証付融資について、その概要とメリット、注意点などを紹介します。

保証付融資とはどんな融資?

保証付融資とは信用保証協会の保証がついた融資を指します。保証付融資に対して、保証を求めずに銀行が行う融資がプロパー融資です。融資を受けるためには審査があり、事業内容や返済能力についてチェックが入ります。いずれも問題がなければ、金融機関は信用保証協会の保証を求めません。しかし、銀行との取引実績が浅かったり、信用情報に不安がある場合は保証をつけなければ融資は難しいといわれる可能性があります。

創業直後であれば金融機関との取引はあまり多くないため、金融機関から融資を受けるのは難しいでしょう。では、なぜ信用保証協会の保証をつけると融資が受けやすくなるのでしょうか。それは、保証付融資だと金融機関のリスクがなくなるからです。プロパー融資の場合、事業主の返済が困難になったとしても保証人を立てていない限り他の人に返済を求めることができません。

そのため、融資額を回収できないリスクがあります。したがって、金融機関としては取引実績の有無や信用能力によっては融資を断るのです。一方、保証付融資の場合、事業主が返済困難になると信用保証協会が返済を立て替えます。

金融機関としてはどういった状況に陥っても返済がなされるため、融資がしやすくなるでしょう。そのため、保証付融資であれば創業間もない事業者や金融機関の融資を断られてしまったことがある人でも利用できる可能性があります。平成26年3月の実績では全国に存在する中小企業や小規模事業者のうち、146万企業が利用しています。公的機関の中でも非常に多くの人が保証付融資を活用しているといえるでしょう。(※1)

保証付融資のメリットは何?デメリットはあるの?

保証付融資を利用するメリットは5つあります。1つ目は、融資枠を拡大できる点です。プロパー融資を受けられる立場であっても、事業拡大のために融資可能額を引き上げたいと考える人がいるかもしれません。そうした人は保証付融資を利用することで融資枠の拡大が可能です。プロパー融資の融資枠拡大は難しいことが多いですが、保証付融資との併用ができます。したがって、両者を併用することで融資枠を拡大してより大きい金額の資金調達が可能になるでしょう。

2つ目は、事業者の多様なニーズに対応できる点です。一口に融資といっても、事業主の立場やビジネスによって内容は大きく変わるでしょう。創業資金を調達したい人や資金繰りの改善を図りたい人、あるいは海外進出に向けて資金調達をしたいと考えている人もいるかもしれません。保証付融資であれば、それぞれの立場に応じた融資制度が利用できます。
例えば、創業資金調達を目的とする場合、保証人や担保を用意することが難しいでしょう。そのため、創業者向けの保証付融資の場合には保証人や担保不要で利用できます。資金繰りの改善を図る場合には、借換資金の融資を受けることが可能です。
借入口を一本にまとめ、かつ返済期間を長期化させることにより、毎回の返済金額を軽減し、資金繰りを改善することができます。海外進出を考えている事業者であれば、現地での資金調達を考えることが多いかもしれません。ですが、海外進出したばかりでは取引実績が少ないことが多いため、融資を断られる場合があります。そうした時、国内金融機関が発行する信用状への債務保証をつけることで、現地での資金調達支援を行うのです。このように、事業主の状況に適した融資を受けることが可能になります。

3つ目は、長期の借入が可能な点です。融資を受ける目的として資金繰り改善を意図することは多いでしょう。資金繰り改善のためには毎月の支出を軽減することが有効です。そのため、長期借入ができればその分毎回の返済額は軽減されるため、資金繰りの改善が期待できます。

4つ目は、連帯保証人についてです。融資を受ける際、連帯保証人を立てなければいけないことがあります。ただ、連帯保証人にいいイメージを持てない人もいるでしょう。そのため、連帯保証人を立てるのに苦労したことがある人もいるかもしれません。ですが、保証付融資を受ける場合、原則として法人の代表者以外に連帯保証人は不要です。したがって、連帯保証人を探す苦労をしなくてもよくなります。個人事業主の場合は、そもそも保証人が不要です。したがって、保証人に関する心配をせずに融資を受けられます。

5つ目は、担保の有無についてです。銀行から融資を受けようとすると、担保提供を求められることがあります。そして、担保に多いのは不動産です。ただ、担保に提供できる不動産を有している事業者ばかりではありません。担保が用意できないため融資を諦めざるを得ない人もいるでしょう。ですが、保証付融資の場合、担保不要で融資を受けられる制度があります。そういった制度を利用すれば銀行で融資が受けられなかった人であっても融資を受けることが可能になるでしょう。

一方、デメリットは2つです。1つ目は、信用保証料が挙げられます。保証付融資を受けるには、信用保証料を払わなければなりません。そのため、プロパー融資と比べるとそのコスト分負担が大きくなります。そのコストは借入金額の0.5%〜2.0%です。借入金額によっては意外と大きい負担になる場合があるので注意しましょう。

2つ目は、債務は継続する点です。銀行にとっては信用保証協会が代位弁済してくれるのでリスク回避ができますが、事業主からすれば返済先が金融機関から信用保証協会に変わっただけです。返済が難しい場合には自分の資産が競売にかけられてしまう可能性もあります。保証付融資を利用するにしても返済計画は無理のないように考えましょう。(※2)(※3)(※4)

保証付融資を申し込むにはどうすればいい?

保証付融資を申し込む手順として、まずは保証の申し込みをします。申し込む窓口としては信用保証協会へ直接申し込むやり方と、金融機関を通して申し込むやり方の2つが代表的です。信用保証協会へ申し込む場合は必要な書類一式を揃えてから申し込みます。

一方、金融機関を通して申し込む場合には金融機関が融資適当と認められて初めて手続きが進んでいくので気をつけましょう。次に、審査です。申し込み手続きが受け付けられたら信用保証協会での審査に移ります。この審査では書類の確認はもちろん、事業主との面談や事業所への訪問も合わせて求められるかもしれません。書類を整えるだけでなく、審査担当からいろいろと聞かれてもきちんと応えられるように対策をしておきましょう。審査を通過すると、信用保証協会は金融機関に対して「信用保証書」を発行します。この信用保証書がつくと保証付融資となり、プロパー融資と比べると金融機関から融資を受けやすくなるでしょう。

そして、「信用保証書」の内容に沿って金融機関は融資を実行します。その融資の際には金融機関を通じて信用保証協会へ信用保証料を支払わなければなりません。保証付融資を受ける場合、信用保証料は必ず必要です。ですが、一度納めれば別途必要なコストはありませんので、きちんと納めましょう。最後のステップは、返済です。融資を受けた以上、計画に沿って金融機関へ返済をしていきます。(※5)

保証付融資を受けるにはどういった審査を受ける必要がある?

保証付融資を受ける際の審査ではいくつかチェックポイントがあります。まず、書類についてです。保証審査に移る際、最初にチェックされる書類でマイナスの印象を与えると審査に悪影響を及ぼしかねません。事業計画書の内容が伝わりにくいものだとしたら、金融機関から積極的に融資したいと思われにくいでしょう。また、書類の必要項目が不足していたり、誤字脱字といった初歩的なミスがあると書類だけでなく事業計画も雑なのではないかと疑われる可能性があります。

書類の内容が不正確なのはさらに厳しく見られるでしょう。審査担当はさまざまな企業を見ているプロですので、経理や財務に関する知識は豊富です。そうした人たちは不正や誤りを見つけることに長けているでしょう。業績を良く見せたいと思うあまり実績から乖離した業績を記載したり売り上げを多く記載したりすると審査に通らないどころかブラックリスト入りする可能性もあります。ごまかしていいことは何もありませんのでやめましょう。

書類以外では、企業の財務体質は必ずチェックされます。融資を実行したとして、きちんと返済がされるかどうかは金融機関や信用保証協会にとって非常に重要です。最初から返済が滞りそうな企業へ融資をするところはありません。ですので、きちんと返済できる財務体質かどうかが最初にチェックされます。経営者の人柄や能力も審査の対象です。事業計画を遂行していく中心は経営者でしょう。その経営者が事業計画をきちんと遂行できる能力を有しているのかは今後の事業、および返済計画を大きく左右します。

また、事業計画や返済計画を立てたとして、その計画が誠実に守られるかどうかも金融機関や保証協会にとっては重要です。したがって、企業の中心である経営者が計画をきちんと実行できる能力と、計画を誠実に実行する人柄を持っているかもチェックされます。このチェックは面談によって審査されるため、面談対策もきちんとしておきましょう。

最後に、融資の使い道もチェックされます。企業に対する融資は事業資金として融資され、事業以外の私的流用は禁止です。もし面談の際に資金の使途がはっきり伝えられないと「資金が流用されるのでは?」と疑われかねません。また、資金の使途が明確でないということは事業計画において本当に融資が必要なのか疑問視される可能性があります。審査でもチェックされる資金の使途は明確にしておきましょう。(※6)

保証付融資を申し込むにはどんな書類が必要か?

保証付融資を申し込む際、基本的に必要となる書類は8つあります。まず、信用保証委託申込書です。そして、申込人や企業の概要がわかる書類や信用保証依頼書、信用保証委託契約書も必要です。あとは個人情報の取扱いに関する同意書、確定申告書や決算書といった売上のわかる書類、そして商業登記簿謄本や印鑑証明書といった多くの契約で必要になる書類が同様に求められます。(※5)

保証付融資を利用するために必要なコストはどんなもの?

保証付融資を受ける際に必要なコストは、信用保証協会へ支払う信用保証料のみです。その金額は、おおよその目安で融資金額の0.5%〜2.0%となります。融資金額によっては負担が大きくなることが考えられるため、注意が必要です。(※3)

保証付融資を利用する際に注意すべき点とは?

保証付融資を利用する際に注意すべき点もいくつかあります。まず、保証を受けるためには審査を通らなければなりません。したがって、審査でチェックされる項目は対策しておきましょう。その際、専門家の助けを借りるのもひとつの方法です。例えば、信用保証協会へ保証を申し込む場合、金融機関を通した方がいいでしょう。金融機関の人はさまざまな融資案件を扱っているプロです。信用保証協会への申請を何回もしている人もいるでしょう。そうした人であれば審査に通りやすいポイントなどを熟知しているかもしれません。書類作成の助言を仰ぐと審査で有利に働くでしょう。

また、その金融機関との付き合いが長ければ、金融機関は会社の業績や経営状況を良く知っているため信用保証協会への連携もスムーズになります。今後の事業計画についても情報共有しておくことで、金融機関の担当者から信用保証協会へいい印象を伝えやすくなるでしょう。ですので、付き合いが長い金融機関がある場合、その担当者の協力を受けられるように相談しておくことが大事です。また、書類のチェックも重要視されるため、事業計画書を添付するようにしましょう。

申し込みに必要な書類に事業計画書はありません。事業計画は申込書に記入欄があるため、そこへ記入するのが一般的です。ですが、その欄に事業計画を全て盛り込むことは難しいかもしれません。経営者の思いや今後の展望など、熱意や希望といったものを審査担当に感じさせるには、詳細な事業計画を書いた書類を別途用意しておきましょう。今後の計画が明確に伝われば審査担当の心象が良くなります。また、融資に対する熱意をアピールすることにも繋がりますので、可能であれば事業計画書も合わせて作成し、申込書とともに提出しましょう。(※7)

保証付融資をうまく活用して効率的な資金調達を!

保証付融資はプロパー融資を断られてしまった人でも融資が受けられるようになる便利なものです。創業直後は金融機関との取引実績が少ないことが多いでしょう。そうした人は金融機関の融資を受けにくいです。ですが、創業直後に事業を加速させるには資金調達は避けて通れません。

できるだけ有利な条件で資金調達をしたいと考える場合、保証付融資の特徴やメリット・デメリットを踏まえて利用を検討するといいでしょう。また、すでにプロパー融資を利用している企業の場合、金額の上限が設定されていることが多いため、さらなる融資を受けるのが難しい場合があります。そうしたとき、保証付融資を利用することでさらなる資金調達が可能です。

保証付融資にはさまざまな種類があるため、会社の状況に応じて適したものを選択することができます。また、保証人や担保が不要な融資もあるため、多くの企業にとって利用しやすい制度といえるでしょう。保証付融資は多くの中小企業が利用している資金調達方法です。これから創業しようとしていたり、資金調達をして事業拡大を考えている事業主は最寄りの信用保証協会や銀行に相談してみましょう。

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