多くのメリットがある不動産担保融資!特徴や利用方法は?

資金調達手法の1つとして活用したいのが不動産担保融資です。不動産を担保とする融資なので、利用するためには当然不動産を所有していることが条件になります。不動産は融資を受ける際には強力な担保となり、他の融資にはないメリットも多くあります。法人契約をして会社の事業資金として利用することも可能です。また、資金の使途も限定されていないため、長期的な資金調達手法としても活用できます。ここでは、不動産担保融資の特徴や利用方法について解説していきます。

不動産担保融資の概要と活用方法

不動産担保融資は不動産担保ローンとも呼ばれ、住宅やマンション、ビルなどの建物や土地を担保にして融資を受けられるサービスのことです。建物や土地だけでなく、低地権や借地権などの土地にかかわる権利も担保として認められることがあります。また、経営者名義でなく、親族が名義となっている不動産を担保として活用することもできます。不動産を担保にするため、審査に通りやすく金利も低く抑えられているのが特徴です。
不動産担保融資は個人での借り入れも可能ですが、起業や開業、事業拡大などの目的で法人として借りることもできます。とはいえ、資金の用途は限定されず、キャッシュフローの改善や売掛金の入金が間に合わないときのつなぎ資金、納税などさまざまな目的で利用することが可能です。
不動産担保融資の利用例としては、不動産会社が新たな不動産を仕入れるための資金として活用されることが多くあります。仕入予定の物件を担保として融資を受け、リフォームやリノベーションをして売却することで利益を出すのです。また、仕入予定の土地を担保にして融資を受けるという手法もあります。その場合は、土地にマンションやビルの建物を建てたうえで売却するのです。その他、競売物件を購入するための資金や不動産投資家が投資目的で不動産を購入する資金として借り入れることもあります。
不動産売買以外の目的では、自社ビルを所有している企業が事業の長期的な借り入れ資金として活用できます。無担保融資より金利が低く、長期の借り入れもできるからです。さらに、銀行融資やビジネスローンの審査が通らなかった場合の資金調達手法として選択されることもあります。すでに上限まで銀行融資を受けていたり、経営状況が悪化していたり、起業したばかりで融資を受けられなかったりした時に利用可能です。
すでに銀行融資やビジネスローンを利用している場合で、月々の返済が苦しくなったときに不動産担保融資に借り換えることもあります。このように、不動産担保融資はさまざまな目的で利用できる資金調達手法の1つです。(※1)

メリットとデメリットを理解してから活用しよう!

ABLは中小企業向けの融資額が減少し資金繰りが厳しい状況の中で、新たに活用できる資金調達手法として注目されています。これまでの融資は企業の信用力や不動産、経営者の個人保証が担保となって行われていたものです。ABLが広まることで、それ以外の動産が担保として活用できるようになったことが1つのメリットとして挙げられます。また、これまで担保となる資産や信用力がないために融資を受けられなかった企業でも、資金を調達できるようになりました。
資産の少ない企業でも、売上増加に応じて在庫が増えれば、担保として活用することができるのです。それにより、これまでの融資枠を増やすことが可能となります。さらに、ABLは金融機関へ経営状況の報告をすることで、金融機関から事業に関するモニタリングやアドバイスを受けます。
事業を監視してもらうことで、健全な事業活動を継続できる点もメリットです。デメリットとしては、ABLを利用するためには金融機関に対し定期的に売掛金や在庫の状況を報告しなければならない点です。融資を受ける側に事務的な負担が増加します。
金融機関の求めにスムーズに答えるためには、社内の状況を管理する体制を整えておく必要があるのです。また、事業活動の状況によっては担保となる資産の販売や処分に制限がかけられる可能性もあります。さらに、日本では不動産や個人保証を担保に融資を受けることが一般的であることから、ABLを利用することで信用力に乏しいとみなされてしまうリスクもあります。
担保となる資産が動産以外にないにもかかわらず融資を受けなければならないほど資金繰りに困っているとマイナス評価をされてしまう可能性があるのです。(※3)
ABLは資金調達がしやすいという点ではメリットですが、デメリットも踏まえたうえで慎重に検討する必要があります。

ABLの申し込みはどんな流れで行われるのか?

ABLの仮申し込みは、金融機関によっては電話やインターネットでも可能です。金融機関にABLの相談をすると、融資できるかどうか事前協議が行われます。ここでの協議事項は、融資を受ける企業のメリットや事業活動のモニタリングが必要かどうか、担保の適格性などです。この協議により金融機関がABLによる融資が可能かどうかの判断をします。
事前協議の結果、融資が可能と判断されれば次は正式な融資の申し込みです。まずは審査に必要となる書類を準備して、金融機関に提出します。次は、担保となる動産や債券の審査です。資料に基づいて、評価専門会社などが動産や債券の評価を行います。ここで出された担保の評価額で融資可能額や融資条件が決まるのです。
評価額が決まると、融資条件や誓約条項が正式に提示されます。誓約条項には融資を受けた後に企業側から提出する財務データに関する事項も含まれます。融資を受ける企業が融資条件や誓約条項を承諾すれば、次は契約手続きです。ABLの契約は一般的に譲渡担保設定契約書、債権譲渡担保契約書、誓約事項の覚書、金銭消費貸借契約書等、融資取引約定書、銀行取引約定書により行われます。契約手続きが終わると、次は担保の対象となる動産や債券の譲渡登記です。
動産譲渡登記や債券譲渡登記は東京法務局が指定の登記所となっていて、全国の動産や債券に関する譲渡登記が行われています。登記により金融機関に動産や債券の譲渡引き渡しがあったと第三者に認められることになるのです。契約手続きや譲渡登記が無事終わると融資が実行され、企業側に契約した融資額が入金されます。
ABLの場合は、融資を受けた後も定期的に財務データを金融機関に提出しなければなりません。融資後は担保となっている在庫明細や売掛金明細などを提出し、金融機関より適宜モニタリングやアドバイスを受けます。(※4)

ABLの審査内容とは?どんなことが評価につながるのか

融資は審査内容によって、融資可能額や条件が決められます。ABLで融資を受ける場合は、どのような担保、どのような事業形態であれば評価してもらえるのでしょうか。売掛債権や在庫を担保とした場合、審査で評価対象となるのが毎月の売上規模です。売上高が高いほど融資を受けやすくなります。
評価のポイントとしては、年間を通じての売上高よりも毎月の売上高が重視されるということです。月によって売上高に波があるよりは、毎月安定した売上があるほうが評価は高くなります。売上高が月によってかなりの変動があるという場合には、売上高の最低月が基準となるため注意が必要です。つまり、売上高の評価で重要となるのは、最低月の月商規模ということになります。
ABLの審査では売掛先の信用力も評価の対象となるのが一般的です。売掛債権を担保とした場合、債権がきちんと回収できるかどうかが金融機関のリスクを下げることにつながるからです。そのため、金融機関によっては売掛先が信用力のある企業であれば評価が高くなります。逆に、法人以外の個人事業主が売掛先となっている債権は担保の対象から外されることもあるのです。
ただし、売掛先の評価基準は金融機関によって異なります。売掛先の信用力や事業規模よりも売掛件数のほうを評価することもあります。このような評価基準を設定しているABLでは、売掛先が多いほうが高い評価となるのです。(※5)また、売掛債権を担保とする場合は、売掛先企業との基本契約書で売掛金の譲渡が禁止されていることもあります。その場合は、担保としては除外対象となるため注意が必要です。

ABLで融資を受けるために必要な書類

まずは審査に必要な書類を準備する必要があります。担保の種類にかかわらず必要な書類は、会社案内や決算書、試算表など会社の経営状況がわかる書類です。会社の設備や在庫を担保とする場合は、設備一覧や在庫明細、保管場所一覧表、仕入契約書などが必要となります。
売掛債権を担保とする場合は、売掛明細や買掛明細、入金予定表、これまでの入金を確認するための通帳コピー、販売契約書などの提出が必要です。また、契約締結後は譲渡登記が行われるので、登記申請に必要な書類も準備しなければなりません。債権譲渡登記申請には、債券譲渡登記申請書、取下書、申請データを格納した磁気ディスクが必要です。
さらに、譲渡する側は代表者の印鑑証明書(作成後3カ月以内のもの)、代表者の資格証明書(作成後3カ月以内のもの)、債権譲渡登記または質権設定登記申請に関する委任状を準備します。譲受側である金融機関も代表者の資格証明書や債権譲渡登記または質権設定登記申請に関する委任状が必要です。動産譲渡登記申請の場合も、動産譲渡申請書や債権譲渡投資申請の時と同じ書類を用意します。その他、司法書士へ依頼する場合は司法書士への委任状が必要です。(※6)

ABL申し込みから返済までにかかるコスト

ABLにはさまざまなコストが必要となります。毎月かかってくるコストが金利です。金利は各金融機関の所定利率で決められますが、交渉によりある程度の幅があるともいわれています。(※7)融資を受ける企業の財務状況や担保となる動産の価値、売掛先の経営状況や件数にもよるのです。
また、金利には変動金利と固定金利があり、変動金利の場合は市場の金利変動によって見直されます。そのため、支払う利息が最終的にどのくらいになるのか事前に試算しておくことが大切です。その他、保証会社へ支払う保証料や金融機関へ支払う事務手数料、モニタリング手数料もかかります。
保証料は連帯保証人を立てる代わりに保証会社に保証してもらう場合にかかるコストです。事務手数料は銀行に支払う事務取扱料で、調査費用や譲渡登記の手続きにかかる費用が含まれます。登記には登録免許税もかかり、動産譲渡登記は1件につき7,500円、延長登記は3,000円、抹消登記は1,000円です。債権譲渡登記にも同じ費用がかかります。
モニタリング手数料とは融資を受けた後に発生するコストで、金融機関が経営状況や財務データをモニタリングするためにかかる費用です。融資額の1%程度が目安となります。さらに、繰上完済をする場合には、条件変更手数料や事務取扱料がかかります。金融機関に支払う手数料については、各金融機関によって異なるため確認が必要です。(※8)

ABLの利用で留意すべきポイント

日本ではABLによる融資実績は徐々に増えつつあるものの、まだそれほど多くないのが現状です。流動性のある資産を担保とするABLでは、担保の評価や信用力の客観的評価が難しいことが理由として挙げられます。公的機関が毎年公表している公示価格や基準価格をもとに評価できる不動産とは違い、担保としての評価額を設定するにはノウハウが要るのです。
また、融資後もモニタリングにより事業の継続を支援する必要があるため、金融機関にとっても手間がかかります。そのため、融資を受けるにはABLの実績がある金融機関を探す必要があるのです。実際、経済産業省が2010年に金融機関にとったアンケートでも、ABLを実施しない理由として56.9%の金融機関が評価やモニタリングに関するノウハウがないことを挙げています。(※3)
融資を受ける側にも課題があります。担保にしたい在庫の帳簿上の価値が高かったとしても、そもそも不良品だったり、市場価値がなかったりすると担保としての価値がありません。万一、返済できない事態に陥った場合に資産としての価値を失っていると、金融機関側にとって損失となります。
そのため、帳簿上の価値だけでは担保として活用できるかどうかわからないのが現状です。モデルとなる融資実績が少なければ、企業側もどんなものが担保になるのか判断するのも難しいでしょう。その他の課題は、実際に融資を受けた後に担保とした資産をいかに管理して、金融機関に報告するかということです。
商品の在庫や売掛債権は市場や事業の状況により価値が変わってきます。そのため、ABLによる融資を受けるにあたっては在庫データを管理するシステム導入や在庫管理のマニュアル化を徹底するなど、企業側も対応する必要があるのです。(※9)

融資をあきらめる前にABLを検討してみよう!

不動産担保がなくても融資を受けられる可能性があるABLは、資産に乏しいベンチャー企業や中小企業にとっても融資が受けられる1つのチャンスです。日本ではまだそれほど普及していない資金調達手法ではあるものの、徐々に増えていく可能性があります。ABLにより企業はこれまで有効活用されていなかった流動資産を担保にすることができます。
金融機関にとっても、新たな顧客獲得やコンサルディング力の向上が見込めるというメリットがあるのです。今後、さらに普及すればABLを利用することへの抵抗感やマイナスイメージも払拭されていくでしょう。資金調達手法の1つとして、検討してみてはいかがでしょうか。

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